あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

”めんま”の死で時間が止まってしまった少年たちが、亡くなってしまった”めんま”のために願いを叶えようと奮起する作品ですね。たまたま同級生で、近く人住んでいた少年たちが、「ひとりの死」という同じ傷を負った話。子供に仲間としての絆ができるわけない。これは間違いないです。喧嘩したり、笑いあったり、同じ思いを共有するから絆になる。これも間違いないです。でも、共有する経験があって、且つ大人になって初めて絆ができるというのが正解です。「あのはな」では、共有ごとの最も大きな事柄が「めんまの死」でした。10年たって大人になって、同じ悲しみや苦しみを共有し絆ができ仲間になった。
あの時で止まっていた 思いや時間が、やっと動き出しました。

演出としては、個人個人の設定がしっかりしているため、各々の苦悩・葛藤や成長がわかりやすく演出されています。途中、まったりしている感じもしますが、各個人の成長を表現するには必要なことだと思っています。演技は”めんま”役の茅野愛衣さんが素晴らしい。せつなく、かわいく、消えてしまうような演技が、物語を引き立てています。さらに、エンディングテーマの「secret base 〜君がくれたもの〜 」なんて、この曲聞いたら「あのはな」しか思い出さなくなりました。結果、耳にするたびに切なくなりますが…