宇宙兄弟

素直に面白いです。そして観る価値があります。多分ですが…NASAは別にしてJAXAの協力はあったと思います。とても現実味があり、実際に宇宙飛行士になる過程をかなり丁寧に描かれています。先に成功している弟の”南波日々人”と、弟に負けたくない兄の”南波六太”の関係を絡めて物語を進めていくのは、感情移入をしやすく、愛情を上手に演出できるのでさすがといえます。結果として「宇宙兄弟」というタイトルもわかりやすくなっています。訓練期間ばかり描かれていて、なかなか宇宙に行けませんが「宇宙飛行士になる」という目的が明確なのでストレスにはなりません。その訓練の過程での”南波六太”のすごさが見事に表現されています。頭の回転、頭の柔らかさ、コミュニケーション能力…さすがですね。目的が明確な中でも、この作品は「ヒューマンドラマ」です。宇宙飛行になるきっかけ、シャロンおばさんのお話、挫折、達成、全てがバランスよく成り立っています。

「ふたつのスピカ」でも思いましたが、訓練の内容を漫画やアニメ等で公開することで、実際にある訓練は「予測できない事故」が「予測できる事故」に変わってしまっている気がします。結果、実際の訓練は「もっと厳しくなるのだろう」と思ってしまいます。

取材をしっかりしていて、良くできた物語だと思います。これも次々と見たくなるアニメです。